2011年6月25日土曜日

寺久保エレナ / New York Attitude



待ちに待った「寺久保エレナ  /  New York Attitude 」が発売されさっそく聴き倒しております。





1. New York Attitude (Kenny Barron)
2. One For You (Sadao Watanabe)
3. Star Eyes
4. Oriental Folksong (Wayne Shorter)
5. That’s The Truth (Erena Terakubo)
6. Invitation
7. This Here (Bobby Timmons)
8. Fascination (Erena Terakubo)
9. Del Sasser (Sam Jones)
10. Body And Soul

・寺久保エレナ - alto sax
・Kenny Barron - piano
・Ron Carter - bass
・Dominick Farinacci - trumpet, flugelhorn
・Lee Pearson - drums

今回のアルバムにはこれまでに彼女に強い影響を与えたジャズの偉人たちへのリスペクトが全体に感じられる。特に親しくしている渡辺貞夫への敬愛は深い。2曲目の「One For You」は渡辺貞夫のオリジナルであるし、次の「Star Eyes」はロン・カーターが在籍したグレート・ジャズ・トリオを迎えた渡辺貞夫のアルバムに収録されているスタンダードいずれも渡辺貞夫のアルバムの雰囲気を継承したかのような出来になっている。別の言い方をすると寺久保エレナの独自性があまり感じられないコピーものとも言えなくもないが、渡辺貞夫へのリスペクトあふれる素晴らしい出来になっている。

1曲目の「New York Attitude」は今回のピアノを担当するKenny Barronによるアップテンポのモダンな4ビート。ホレス・シルバーの曲のようなアップダウンの激しいテーマからケニーのピアノソロから始まり、次第に熱くなって彼女のソロにつながる。


5曲目の「That’s The Truth」は彼女のオリジナルのバラードで非常に美しい。8曲目の「Fascination」も彼女のオリジナル。リズム隊のキメが細かく、レコーディングで何度もリハをしたというのはこの曲であろう。


9曲目の「Del Sasser」はSame Jonesの手によるスタンダード。私も大好きでセッションでよくやらせてもらう明るいアップテンポの曲。トランペットのDominick Farinacciの快調なソロに続いて彼女のスインギーなソロが続く。Del SasserはSam Jones自身のアルバムに収載されており、日野皓正とボブ・バーグの火の出るようなソロが印象的で大好きである。







寺久保エレナはまだ現段階で19歳。サックスの鳴らせ方やソロの構成、曲の理解度についてはまだまだこれからとは思う。スタンダードの「Body And Soul」でのプレイではやはり先人達の名演には遠く及ばない。さらに細かいことをいうと、彼女のビブラートが演歌っぽくて、もっとストレートにサックスを鳴らせばいいと思うのだが・・。細かいフレーズのアーティキュレーションもかけすぎている気がする。このあたりは今年の9月から行くバークレーから数年後に帰ってきたらどう変わっているか楽しみでもある。


しかしこの年齢でこの域に達しているプレイヤーは非常に少ない。マイルスやトニー・ウィリアムスらがやはり10代でプロとして活動していたことを考えると、今後の寺久保エレナの成長に否が応でも期待せざるを得ない。


8月の大阪・ミスターケリーズのライブは私が彼女の10代のプレイを聴ける最後の機会になるだろう。今の彼女のジャズをしっかりと確認してこようと思う。


大阪・ミスターケリーズ

8/1(月)2(火)
Erena Terakubo 2nd Album 
「NEW YORK ATTITUDE」CD Release Live Special 2DAYS
寺久保エレナ(As) 大林武司(P)坂崎拓也(B)マーク・ホイットフィールドJr(D)from NY

2011年6月13日月曜日

超盛り上がりルクラブ

昨日の日曜はまたルクラブのセッションに行ってきました。最近はなぜか雨の日の方が参加者が多い傾向です。

この日はなんといってもベースが荒玉哲郎さんということで、めったにルクラブのセッションではお目にかかれないらしいということで、楽しみに行ってきました。

やっぱすごかった。なんというかパーフェクトです。私がいちいちピッチがどうの、タイム感がどうの、という世界ではないのですが、すべてのパーフェクトです。んでもってベースソロがまたかっこいい。歌ってます。歌でした。染みました。

でもって、次のサプライズはドラマーのキャロラインちゃんです。京大にイギリスから短期留学で来ている女の子ですが、これがまたしっかりしたドラマーです。

プレイ中はめっちゃ真剣な顔で叩いてて、怖いくらいでしたが、ニコッと笑った顔がイイ。記念撮影もさせてもらいましたよ。また会えるといいな。

その後は来るわ来るわ、京都で活躍するミュージシャンの皆さんがたくさん来ました。ジンジャー・ブレッドボーイズのドラマーお馴染みの斎藤洋平さん、京都の黒いテナー篠崎雅史さん、ピアノの笹井真紀子さん、テーナの井上弘道さん、などなど。

篠崎さんはお初にお目にかかったのですが、豪快なテナーでした。なんというか、繊細な豪快さという感じ。うまかった。私もテナーを持っていったのですが、アルトにすればよかったとちょっと後悔したくらいうまかった。今度はちゃんとライブを聴きに行かなきゃ。

最後は4テナーバドルと相成りました。モンクのEvidenceです。

※写真はルクラブのマスターが撮ってくれました
無断転載です。お許しを・・
あ、疲れたけど楽しかった。

2011年6月12日日曜日

Tubax

昨日は黒ちゃんがリーダーのサックスアンサンブルのリハでした。場所は京都のとある神社の一角にある秘密基地みたいなスタジオ(?)です。この神社にこんな秘密の場所があるなんてほとんど知られてないでしょうね。場所は秘密です。

曲はジャズ、Pops、歌謡など盛りだくさんで、たっぷり5時間も練習しました。メンバーはSS、AS、TS、BSの4管サックスです。アンサンブルなんて高校のブラバン以外だったので、すごく楽しかったです。

ジャズばかりやってると楽器同士のピッチの微妙なズレはあまり気にならない(気にしなきゃいけないのですが)のですが、4菅だけだと2声の音のズレがすごく聞こえてしまって、細心の注意を払わないといけなくなります。

もともとアルトは高音域でピッチがうわずる傾向があるので、相手の音を聞きながら合わせる必要があります。いつも以上に口が疲れました。5時間くらい吹くのは大丈夫なのですが、ピッチを気にしながらだといつも以上に唇の筋肉を使いました。

最後に世界最大のサックス、「TUBAX」を見せてもらいました。これです。


たばこのサイズとの比較で大きさがわかりますよね。リーダの持ち物です。すげーでかい!重さも10Kg以上とド級重量。

TUBAXを使っているアルバムはこんなんがあります。