2010年8月22日日曜日

デュコフを試奏

今日は梅田まで出かけてアルト用のマウスピースの「デュコフ」を試してきました。

http://www.dukoff.com/

デュコフといえばアルトで言うとサンボーン先生があまりにも有名ですが、私はテナーはデュコフだったので、あの張りのある抜けるような音が好きで欲しくなってきたというわけです。

んでもって、京都と大阪のいろいろ楽器屋に電話しまくって在庫があるかどうか聞いたのですが、どこも全くない、あるいは1~2種類しかないということで、全種類試奏することができませんでした。

梅田の「ドルチェ楽器」さんにD7,D8があるということでいそいそ出かけてきました。

http://www.dolce.co.jp/

結果は買いませんでした。どうしてもコントロールできなかったんです。非常に難しいマウスピースでした。アンブッシュアのちょっとした差やリードの位置、リガチャーの種類や止め位置がちょっと変わるだけで音が180度変わってしまう。場合によってはリードミスになってしまう。

非常に神経質なマウスピースです。

これを100%コントロールするにはデュコフと心中するつもりで肉体改造をしなければならない、ということで今の段階ではパス、という結論になったわけです。

しばらくは愛用のメイヤーちゃんとラブラブに過ごす予定です。


でもいつかはデュコフ・・・この思いは変わりません。






2010年8月18日水曜日

ピート・ラ・ロッカとジョー・ヘンCD2枚

阪神百貨店で中古・レア物のCD・LPフェアーみたいなのをやってたので帰りに寄ってみた。
主にレアLPが中心で、初回プレス物がわんさかとあって、マニアが大量に買い込んでました。

今回の収穫は、まず「BASRA / Pete La Roca」


65年録音のピート・ラ・ロッカがリーダーのアルバム。4ビートは1曲だけであとはアフロっぽいリズムの曲で、黒い~って感じ。ジョー・ヘン先生は相変わらず好調。

「Littele Johnny C / Johnny Coles」
Johnny Colesはペットの人なのですが知らなかった。決してうまいとは言えないな、下手ウマでもないな。ヘタ下手って感じ。でもアジはあるな。こちらは全編4ビート系です。とあるサイトのこの人の評は、「ケニー・ドーハムに似た哀愁溢れる音色で知られた名手ジョニー・コールズ。過小評価されてきたコールズの、ぬくもりのあるサウンドをじっくり聴くのに最適のアルバムです」。う~む。




でもジョー・ヘン先生は相変わらず好調なソロなので満足。




2010年8月17日火曜日

という今年の夏休み

というわけで今年の夏期休暇は終わりで、明日から通常勤務となります。
今回はアルトサックスに始まってそのまま終わってしまった感じ。

3日間トレーニングしたので、口と手はだいぶ慣れてきたようです。

現在の課題は・・・

1)高音が出にくい:これはSA80シリーズの問題という気がしますが、根気よく楽器を慣らしていきながらアンブッシュアを模索するしかないかな。今のアンブッシュアは中低音できれいな音が出るもののそのまま高音に持って行くと最悪リードミス。

2)スタンダードを忘れてしまっている(笑):取り急ぎセッションに行って恥ずかしくない程度に思い出さなきゃ。


今日は神戸に水木しげる展にいって、帰りに龍馬のいた海軍操練所跡に行きました。







2010年8月16日月曜日

Wood Stoneリガチャー

Wood Stoneのリガチャーを買いました。


Wood Stoneは石森管楽器のブランドです。

私のマウスピースはメイヤーの6番です。他にハリソンハーツ(金属性)、ロブナー(革製)などを試しましたが、今ひとつフィットせずリードも振動していましたが、このWood Stoneだけはしっかりとリードをつかんで振動せず、すべての息が音になって出ていっている感じがしました。

一般に金属製より革製の方が柔軟でリードによくフィットして良いと言われていましたが、どうもガセ鴨しれない。Wood Stoneは特に良いような気がします。私のテナーのデュコフ用にもそのうち買おうかな。

http://www.ishimori-co.com/index.php/product/list_product/141/54/160
http://www.ishimori-co.com/index.php/product/product_detail/1099

2010年8月13日金曜日

アルトサックス購入

今日アルトを購入してきました。買ってきたのはSelmer Super Action 80 SeriesII。

Usedですが1年落くらいで状態は良し。もう一台あってそちらは数年落ち。もうひとつは初代SA80。
この写真はSeriesIIの2本です。

ガッツリ1時間くらい試奏した結果、1年落ちのSeriesIIで手を打ちました。

SAはどちらも高音が出にくい。初代も出にくい。比較のために最新モデルの150周年記念モデルのアルトを吹かせてもらうと、これが吹きやすい。Selmerの特色としては、最初はどうしても鳴りにくい、吹きにくいけど、音が「抜ける」と吹きやすく良く鳴るようになる。ヤマハやヤナギサワは最初から吹きやすく抜けてるのだけど、いつまでも同じ音でそれ以上は鳴らない、いわゆる安っぽい音からは進化しない。

この150周年記念モデルはなぜか最初から吹きやすい、高音から低音まで「抜けた」音がしました。これにはびっくり。お金があったらこっちなんだけどなー。セルマーにしては初心者向けのプロモデルですな。

というわけでこちらがゲットしたものです。







2010年8月12日木曜日

アルトサックス買うかも

先日のエレナちゃんのライブで積年のアルト欲しい熱に火がついた。

学生の頃にライブハウスに出ていた時、一時期アルトでド・バップをやってた。でもその頃は先輩の借り物のヤナギサワのアルトだったのでしばらくして返却してしまい、それ以来吹く機会がなかった。

もともとアートペッパーの曲をコピーとはいえ人前で演奏したのが最初だし、その後ナベサダの曲をやったりして、アルトは自分のジャズの原点。

ということで、現在usedのセルマーに限定して物色中。せっかく買うならやっぱセルマーだよな。いい掘り出し物にあたるといいけど。

2010年8月9日月曜日

North Bird / 寺久保エレナ

  昨日の大阪のライブの興奮がさめやらぬうちに彼女のデビューアルバム「North Bird」を聴いている。





「North Bird」 寺久保エレナ

Member:
  • Erena Terakubo (as)
  • Kenny Barron (pf)
  • Christian McBride (bs)
  • Lee Pearson (ds)
  • Peter Bernstein (gt)
Recorded at NY, March 28,29, 2010

  1. Yes Or No
    ウェイン・ショーターの曲。いきなりエレナのカデンツァから入る度肝を抜くパッセージ、印象的なリズムのあとテーマが始まる。エレナの力強いソロに聞き入ってしまう。デビュー作一発目の曲・ソロという緊張や力みはまったくない。完全に吹ききっている。

  2. Black Narcissus
    ジョー・ヘンダーソンの手による3拍子のリリカルな曲。優しく語りかけるかと思えば一気に情熱を燃え上がらせるような熱いフレーズを吹くエレナ。

  3. Stablemates
    Benny Golsonの曲でスタンダードとして多くのミュージシャンが取り上げている。ギターのPeter Bernsteinの短めのソロのあとエレナのソロ、ケニー・バロンのソロ。

  4. My Foolish Heart
    ライブではエレナのサックスソロから始まっていたが、アルバムではピアノのイントロから始まる。美しいソロ、サックスを鳴らしきった音。カデンツァは短い。残念。ライブの時の圧倒的なカデンツァが聞きたかった。

  5. North Bird
    山下洋輔が彼女の才能に惚れ込みデビュー作のタイトルとなったこの曲を提供した。ミディアムテンポの小気味良いリズムに乗ってエレナの遊びごころにあふれたソロが聴ける。

  6. It's You Or NO One
    ライブではアンコールに演奏してくれた超アップテンポの曲。すごい。ソロは荒削りながらこのテンポの速さに臆することなく華麗に吹ききっっている。

  7. Someday My Prince Will Come
    スタンダードの名曲。もちろん3拍子なのだが、ソロの前半のみ4拍子にしている面白い構成。こんな構成のサムデイは初めて。

  8. Tim Tam Time
    エレナの手によるFの循環の曲。友人のオーストラリア土産のチョコレートを食べている楽しいひとときを曲にしたしたとのこと。エレナもケニー・バロンもリラックスして楽しいソロを展開する。セッションのヒトコマを見ているよう。
  9. Like The Sunlight
    キース・ジャレットを思わせるフォークソング調のゆったりとした中で熱いエレナは熱いブローを吹く。
  10. Take The A-train
    ピアノのケニー・バロンのとデュオ。ライブではバークレーから駆けつけた大林武司との息のあったプレイが印象的だった。


  North Birdというタイトルから、北海道発のパーカーもどきという印象を期待すると裏切られるだろう。彼女はパーカー派とかバップ系などという枠にはもはやおさまりきれない、すでに18歳にして楽器の鳴らし方、自分のスタイル、方向性が完全に見えている一流ミュージシャンだ。もちろん定番のフレーズのいわゆるパーカーフレーズを聴くことができるが、完全にフレーズ・コード・バックのリズム隊との呼吸を理解して必然として吹いている。

  ケニー・バロンやクリスチャン・マクブライドというNYのそうそうたるミュージシャンを迎えての初レコーディングなのだが完全に対等に渡り合って、というか融合して非常にクオリティの高いアルバムに仕上がっている。

レコーディングの頃のエレナちゃんのブログ:http://ameblo.jp/erenasax/archive-201003.html


CDの中で10曲を入れるためか、エレナちゃんのソロがそれぞれ短くなっているのが残念。彼女のソロは中盤から後半の次第に熱くなってくるところが魅力のひとつだが、その前にソロが終わってしまっている。今回のツアーのライブ盤を出して欲しい。1時間のセットを2個なので2枚組のライブアルバム。キングレコードでは無理だろう。澤野工房さん、ご検討ください。

やはりCDのメディアだけでは彼女の魅力をすべて理解するのは難しい。彼女の演奏すべてをCDという枠で表現すること自体が無理なのである。もちろんライブに行くのが最適であるのは間違いない。CDのいうメディアで彼女のアルトの音圧を表現するには今回のCDの録音・ミックスダウンの技術がついて行けなかった印象を受ける。

それはエレナのサックスの音が軽めに処理されていること。実際のエレナのサックスの音のダイナミクスは低周波側の圧力が大きく、ライブで聞くとその圧力に圧倒される。セルマー製のアルトを完全に鳴らしきっている。やはり実際のエレナちゃんのライブを聴いて圧倒されて欲しい。やはり北海道の人は羨ましい。聴ける機会が多い。9月の東京ジャズにはロン・カーターらとの共演が予定されている。今年のうちに「今のエレナ」をぜひ聴いて欲しい。もちろんライブで。

バークレーに行く前に関西にもう一度来て下さい。

寺久保エレナちゃんを聴きました

大学のジャズ研の時の先輩と「寺久保エレナ」を聴きに行ってきました。彼女のデビューアルバムの発売記念全国ツアーの最終日の大阪・ミスターケリーズでのライブです。

http://ameblo.jp/erenasax/
http://www.misterkellys.co.jp/


正直、びっくりだと軽すぎるな、驚愕しました。18歳でここまで吹けるの??日本で、いやもしかすると世界で一番うまいアルトかもしれない。うまいだけじゃなくて人を感動させることができる。元プレーヤーである私はたいていのジャズに「感動」を覚えるところまではいかないけど、今回は不覚にも感動してしまった。音楽に演奏に「歳」は関係ないわ。


オープニングからYes or No。アルトでやるのは初めて聞いた。完全ノックダウン。Stablemmatesのドライブ感。洋輔が贈ってデビューアルバムのタイトルになったNorth Birdもリリカルなのに熱い熱い演奏。Take The A-trainはピアノとのデュオでカッコいい。この歳でここまで吹けるか??


そしてMy Foolish Heartのカデンツァは圧巻。ブレッカーなのかパーカーなのか、君はいったい誰だ。なんでここまで吹けるのか。


なんというか、技術がただ上に乗っているだけじゃなくて、完全に消化して自分のものになっている。上っ面じゃなくて必然としてそのフレーズが出てくる。


来年はバークレーに行くとのことで、しばらく日本では生演奏は聴けなくなるはず。機会があれば絶対聴いたほうがよい。いや、サックスをやっている人は聴かない方がいいか、間違いなく自己否定してしまう。こんなにこの歳までサックスをやってきたのに俺はこれしか吹けないのか、と。


間違いなく世界に羽ばたく、世界が求めるサックスプレーヤーになる逸材。これからも注目しよう。


最後にCDにサインしてもらって握手してもらいました。完全に単なるミーハーになってしまった。