2011年7月26日火曜日

萬屋宗兵衛セッション

昨晩ははるばる神戸・元町の「萬屋宗兵衛」のセッションに行って参りました。ドア2ドアで1.5時間ですわ。

ホストは高橋知道(sax) 宮上啓仁(b) 中野圭人(ds)という豪華キャストです。

昨晩の収穫は新進気鋭のTb今西佑介さんと神戸大ジャズ研の部長で若手のホープBsの中谷峻さんとお喋りできたことです。ツイッターで知っているというのもありますが、同じ音楽をやっている仲間としてすぐ打ち解けられるのはジャズのいいところですよね。

今西さんのTbを間近で聴いて、しかも一緒に演奏するなんてもちろん初めて。すごくメロディアスでHなTbでした(笑)。

実は打ち明けると、Tbにたいして長年の偏見がありまして・・・。TbといえばなんといってもJ&K、ご存知JJジョンソンとカイ・ウィンディングのユニットですよね。あとはカーティス・フラー。どうしてもTbというと彼らの演奏が染み付いてて、特にコルトレーンのBlue Trainのカーティスのなんとも間の抜けた(笑)あの出だしがダメで、そのうちだんだんTb自体がだめになって今に至ってました。

でも今西さんのプレイ、もちろんセッションなんで本気モードではなくリラックスしたプレイなんですが、なんとも雄大で、それでいてちょっとHな感じで凄く好きになりました(オイっ)。ホーンセクションのひとつの楽器というより、ボーカルの位置に近いのかな。歌っているような感じがたまらなく良かったです。

今度、CD買わな(買ってないんかい!)。

中谷さんは若いのにすっごく基礎がしっかりしているベースです。自分が彼の年齢の時どこまでできたかって考えると、全然何もできてないのですが、彼のあの年齢でしっかりした基礎ができているというのは羨ましい。基礎ができてないのに曲ばかり知ってて、演奏がダメダメな人はたくさんいます。そんなのは聴いたら一発でわかります。でも基礎がしっかりしてればあとは経験を積めばあっという間に伸びます。これから期待できるベースだと思います。来年からは関東とのことでしたが、兼業ジャズメンとして東京でやっていけるものと思います。

まー、あとは知道さん、ウマすぎて良すぎて完璧で、こんな正統派テナーはなかなか今の日本にはいないよ。大好きです。抱かれたいです(嘘)。なんといったらいいか、簡単にいってしまうと「日本のロリンズ」ですな。ユーモアあり、技術あり、人間性ばっちり、ジャズテナーの父、いや乳ですな。

また来月も行きたいな~






2011年7月18日月曜日

ボーカルはいらない

私、正直言ってジャズ・ボーカルは苦手です。ハイレベルなプロの演奏をCD等で聴くのは好きなのですが、それ以下の方のボーカルは、客観的に聴いてうまくても生で聴くのはやです。

私がインスト系なので仕方がないかと思うのですが、ボーカルが楽器とは思えない。特にセッションに来る人のレベルを聴いていると、単に生バンドつきカラオケと間違えているかのような自己陶酔型もいれば、どうにもこうにもならない方が大勢います。

たぶんそういう体験もあって、ボーカルに対する偏見もあるんでしょうね。

ほとんどのボーカルの方が前テーマを歌って、皆さんのソロを聴いて、後テーマを歌って終わり。他の楽器の方とインタープレイもしないし、冒険もない。なんでこんなんやってて面白いんだろう???って思います。



でも例外がお一人だけいます。札幌のデイ・バイ・デイの黒岩静枝さんです。

札幌にいるときに何度か彼女とセッションしたことがあるんですが、彼女のボーカルは単なる歌だけでなく、ジャズのひとつの楽器になっているんです。スキャットでバースを回された時、彼女はバースを回す次のソリストの顔をじっと見ながらスキャットします。あたかも次の奏者に語りかけるように、ある時は喧嘩を仕掛けるように、ある時はセックスをしている相手の顔を見るようにして歌います。

次の奏者はその歌に応答するように吹かざるを得ません。バースの間、二人だけの世界に入って、黒岩さんとのやり取りをせざるを得なくなります。

私が体験した彼女とのセッションは、完全にセックスでした。彼女とセックスをしている恍惚感に包まれます。今思い出してもぞくぞくする体験でした。あのようなボーカルを他に聴いたことがありません。

もちろん、彼女のこれまでの様々体験、経験が声になって歌になって出るのだと思います。

自分も今までのいろいろな経験が音になって人に伝わるようになればいいな、と思います。