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2011年8月3日水曜日

2011-08-02 寺久保エレナQuartet at 大阪・ミスターケリーズ

昨日は大阪・ミスター・ケリーズにエレナちゃんを聴きに行ってきました。あー、よかったわー。まじよかった。

エレナちゃんのケリーズは今回で3回目なんですが、実は全部行ってます。初回はちょうど1年前の8月。あの衝撃的なライブを聴いてアルトを買って吹くようになり、1年経って、いまの自分でエレナちゃんの演奏と対峙しました。

初回と違って、自分も少し成長したこともあるのだと思いますが、余裕を持って聴けました。一方でエレナちゃん自身も1年の間に恐ろしく成長してました。

去年はメジャーデビューしたばかりで、若さを前面に出した若々しい荒削りなプレイでした。吹きたいように吹く、おめーら聴いとけっ、みたいな戦闘モードなライブでした。当時の私は完全に圧倒されて、ノックダウン状態。

今回はすごく構成美を意識した完成度の高いライブだったと感じました。この1年間、彼女もいろいろな人に会っていろいろな演奏をし、いろいろな人と話をして人間として成長したんだろうな。そんなこの1年間の彼女の人生経験がプレイに出てました。

19歳にしてたったの1年でこれだけ成長できるのは恐ろしい。このあともっともっといろいろ経験できる彼女の成長にますます期待します。



セットリストを書きます。

■1st set
New York Attitude
Recorda Me (soprano sax)
It's You Or No One
That's The Truth
Fascination

■2nd set
One For You
Oriental Folk Song (soprano sax)
Like The Sunlight
Stareyes
Body And Soul (duo)
Del Sasser
アンコール:Ornithology

先日リリースした2ndアルバムからの曲が当然多いのですが、Recorda Meは嬉しかったな。私も大好きなジョー・ヘンの曲です。

よくあるRecorda Meとは違ってかなり混沌としたカオスなRecorda Meでした。あんなアプローチは初めてでした。それにエレナちゃんのソプラノ、初めて聴きました。上手です、当たり前ですが。でもソプラノを吹く必然性はわからなかったな。アルトで十分表現しきれる曲だと思います。2ndのOriental Folk Songはショーターの曲だしソプラノの表現力がショーターの曲想にマッチしてるんですが。

あとは意外とBody And Soulが良かったです。意外とというのは、CDのBody And Soulは正直いまいちだと感じてました。まだあの曲を理解出来ないうちにレコーディングしてしまった感が伝わってしまって、ただ吹きましたというのがわかってしまったのですが、今回はかなりあの名曲を理解しつつあるな、という気がしました(ちょっと偉そうに書いてしまって恐縮です)。今回のツアーを含め何度も吹くうちに自分のBody And Soulになってきたんだろうな。

さらに大林くんのピアノのサポートも良かったな。的確かつ必然なプレイでした。またピアノソロになった時のプレイも秀逸でした。ちょっと感動しました。

んでもってDel Sasser。サム・ジョーンズ作の名曲で私も大好きでよく吹くのですが、かっこ良かった。今のエレナちゃんにはあのような曲調がぴったりきますね。最高です!



ライブ後、CDがにサインをもらって、一緒にカメラにおさまりました。


実は、ちょっとでいいから何かお話しようと思って、以下のネタを用意して近づきました。
  • 履いている赤いハイヒール、もしかしてCDのジャケットでも使っていたのと同じなんですか?
  • ハイヒール履いて吹くって疲れません?
  • 「Like The Sunlight」ってキーがAなんですね。アルトでF#なんてめっちゃ難しいですやん。
  • 今着てるTシャツ、今夏のツアーTシャツなんですね。僕も欲しいなー。
  • 「Body And Soul」はやっぱナベサダさんの名演の「Live at Pit in」の影響ってあるんですか?あのナベサダさんの演奏はいいですよねー。
  • 来月からバークレーですよね。ほんと、頑張ってうまくなって帰ってきてくださいね。

しかし残念なことに、上の写真をとってもらった時点で私は完全にテンパッてしまい、何も話せず真っ白になって店を後にしてしまいました。でも後悔してません。私は満足です。



2011年6月25日土曜日

寺久保エレナ / New York Attitude



待ちに待った「寺久保エレナ  /  New York Attitude 」が発売されさっそく聴き倒しております。





1. New York Attitude (Kenny Barron)
2. One For You (Sadao Watanabe)
3. Star Eyes
4. Oriental Folksong (Wayne Shorter)
5. That’s The Truth (Erena Terakubo)
6. Invitation
7. This Here (Bobby Timmons)
8. Fascination (Erena Terakubo)
9. Del Sasser (Sam Jones)
10. Body And Soul

・寺久保エレナ - alto sax
・Kenny Barron - piano
・Ron Carter - bass
・Dominick Farinacci - trumpet, flugelhorn
・Lee Pearson - drums

今回のアルバムにはこれまでに彼女に強い影響を与えたジャズの偉人たちへのリスペクトが全体に感じられる。特に親しくしている渡辺貞夫への敬愛は深い。2曲目の「One For You」は渡辺貞夫のオリジナルであるし、次の「Star Eyes」はロン・カーターが在籍したグレート・ジャズ・トリオを迎えた渡辺貞夫のアルバムに収録されているスタンダードいずれも渡辺貞夫のアルバムの雰囲気を継承したかのような出来になっている。別の言い方をすると寺久保エレナの独自性があまり感じられないコピーものとも言えなくもないが、渡辺貞夫へのリスペクトあふれる素晴らしい出来になっている。

1曲目の「New York Attitude」は今回のピアノを担当するKenny Barronによるアップテンポのモダンな4ビート。ホレス・シルバーの曲のようなアップダウンの激しいテーマからケニーのピアノソロから始まり、次第に熱くなって彼女のソロにつながる。


5曲目の「That’s The Truth」は彼女のオリジナルのバラードで非常に美しい。8曲目の「Fascination」も彼女のオリジナル。リズム隊のキメが細かく、レコーディングで何度もリハをしたというのはこの曲であろう。


9曲目の「Del Sasser」はSame Jonesの手によるスタンダード。私も大好きでセッションでよくやらせてもらう明るいアップテンポの曲。トランペットのDominick Farinacciの快調なソロに続いて彼女のスインギーなソロが続く。Del SasserはSam Jones自身のアルバムに収載されており、日野皓正とボブ・バーグの火の出るようなソロが印象的で大好きである。







寺久保エレナはまだ現段階で19歳。サックスの鳴らせ方やソロの構成、曲の理解度についてはまだまだこれからとは思う。スタンダードの「Body And Soul」でのプレイではやはり先人達の名演には遠く及ばない。さらに細かいことをいうと、彼女のビブラートが演歌っぽくて、もっとストレートにサックスを鳴らせばいいと思うのだが・・。細かいフレーズのアーティキュレーションもかけすぎている気がする。このあたりは今年の9月から行くバークレーから数年後に帰ってきたらどう変わっているか楽しみでもある。


しかしこの年齢でこの域に達しているプレイヤーは非常に少ない。マイルスやトニー・ウィリアムスらがやはり10代でプロとして活動していたことを考えると、今後の寺久保エレナの成長に否が応でも期待せざるを得ない。


8月の大阪・ミスターケリーズのライブは私が彼女の10代のプレイを聴ける最後の機会になるだろう。今の彼女のジャズをしっかりと確認してこようと思う。


大阪・ミスターケリーズ

8/1(月)2(火)
Erena Terakubo 2nd Album 
「NEW YORK ATTITUDE」CD Release Live Special 2DAYS
寺久保エレナ(As) 大林武司(P)坂崎拓也(B)マーク・ホイットフィールドJr(D)from NY

2011年5月2日月曜日

エレナちゃんat Mr. Kelly's

今日は寺久保エレナのライブに大阪の「Mr. Kelly's」に行ってきました。前回は去年の8月だったから、生エレナは9ヶ月ぶりです。


思えば、前回のエレナちゃんを聴いて、私の生活はガラっと変わりました。

それまでは週末といえば家で持ち帰りの仕事をしたりプログラミングをしたりのインドア、たまに出かけるといっても寺巡りくらいで、全く音楽とは離れた生活でした。

でもあの去年の8/8の「Mr. Kelly's」のエレナちゃんのライブを聴いて以来、私の生活はガラっと変わりました。

ライブの1週間後にはアルトサックスを手にし、週末は個人練習。なんとか勘を取り戻してからは、京都・大阪のセッションに出歩くようになり、まったく家庭を顧みないヤツになりました(笑)。

それだけあのライブは私にとっては衝撃的なライブでした。


そんなエレナちゃんがまた大阪に来るというのに、ライブを知ったのがたった3日前。店のHPでは既にSold Out。・・・もう死のうと思いました(笑)。でも店のマスターの計らいでなんとか今日を店で迎えることができました。ありがとうございました>ケリーズ店長殿

それがこれです。


Mr. Kelly's http://www.misterkellys.co.jp/index.html
大阪市北区
曽根崎新地2-4-1
ホテルビスタプレミオ堂島
TEL:06-6342-5821
FAX:06-6342-5822

2011/5/1(日)

Erena Terakubo Special Session
寺久保エレナ(As) 大友孝彰(P)坂崎拓也(B)竹田達彦(D)

2stages:入替無し open 18:00 1st 19:00/2nd 20:30
charge:前売¥3,800 当日¥4,300

やっぱこの子はすごいわ。今の日本のサックス奏者の頂点と言ってもいいんじゃないかな。しかもまだ進化してる・・・。

もはや単なるアルトサックス奏者ではない、ひとりのジャズミュージシャンだな。もうすでにアルトサックスの限界を超えて、吹く楽器がアルトサックスである必然性を失っている気がした。彼女がアルトじゃなくてクラリネットでもカスタネットでも私は彼女のファンになっていたことだろう。

エレナちゃんフレーズという固定的なフレーズではなくて、今までのジャズの巨人たちの遺産をすべて受け継いで、それが音となって出てきている。ある時はキャノンボール、ある時はコルトレーン、ドルフィー、オーネット・コールマン・・・。いちいち枠に入れるのが面倒なほど変幻自在にフレーズが紡がれていく・・、そんな気がしました。

それが確信に変わったのがアンコールで吹いてくれた「It's You Or No One」。前に聴いた時はバカっ速なテンポに自分でも吹いていくのがやっとという印象を受けたし、「東京ジャズ」でのプレイもまだまだ消化しきれてないな、と思ったけど、・・・今日は違った。

もう完全に消化していた。というよりもバップ自体を完全に消化しきっていた。おそらくスタンダードをバップらしく吹くこと自体を完全に消化していて、そのバップ縛りからなんとか逃れようとしている、「脱皮」しようとしている印象を受けました。

彼女にとってバップというひとつの言語は完璧に身についていたのです。その上で自分の言葉で喋りたい、今の自分を自分のフレーズで表現したい、そういう「脱皮」しかけた寺久保エレナを今日は目撃できました。今日聴いた人はラッキーだと思う。たぶん来年のエレナはまた違う形になっていることだろう。

6/22に出る新譜とその後のレコ発ツアー、超楽しみです。それまでは頑張って仕事しようと決意しました。



今日のサポートメンバーにも触れておきます。

ピアノの大友くんは「ジンジャー・ブレッド・ボーイズ」のメンバーで知った若手です。今日のプレイは何かが彼に降臨してました。凄まじい熱のこもったプレイでした。あんな彼、初めて聴きました。エレナ効果か竹田効果か。

ドラムの竹田さんは関西のギターの重鎮、竹田一彦さんの息子とのことでした。これがまたすげーの一言。静と動のメリハリ、動の時の爆破の流儀はすごかった。今回初めて聴きましたが、今後は要チェックです。

ベースの坂崎くん、これがまたイケメンでした。背は高いしかっこいいし、ベースもうまいし、良いベースです。アルコのソロはもうちょっと練習したほうがいいかも。



っつーわけで、私としてはもうGWは満足しました。明日から働けます。もう十分GWを満喫しました。