ツイッターのTLで「ジャズがうまくなるには」というツイートがあったので、この話題についてちょっと考えてみた。
「ジャズがうまい」ってなんだろう。いろんな定義があってまとまらないんだけど、こんなことなんだろう。
「ジャズがうまい」ってなんだろう。いろんな定義があってまとまらないんだけど、こんなことなんだろう。
- 気持ちが感じたままに音にできる
- 他の楽器との会話が自由にできる
- 聴いている人の気持ちを高揚させられる、感動させられる
「気持ちが感じたままに音にできる」、これは簡単に言うとアドリブのコントロール・表現の自由さなんだろうと思います。まずは楽器の操作技術は当然必要ですね。最低限のハードルです。でもこれがかなり難しいのですが、楽器をコントロール出来ないのに「気持ちが感じたままに音にできる」のはできないので、最低限これはやらなきゃなりません。
その上で、感じたままに音にできるにはどうすればいいのか。つまりアドリブの技術です。
私は聞かれるとよく例えるのが英会話です。英語の文法や単語=ジャズで言うと理論というのはそんなに必須ではないように思います。でも外人は自由に英語をしゃべります。それは小さい頃から英語をしゃべる大人を聞いて育っているので、それが何のか知らなくても喋り方は知ってます。
「今日はいい天気ですね」と振られると、それに対する回答は自ずと決まりますよね。「お腹がすきますね」とか「さっきから欲情しているんです」と返すことはないと思います。でもアバンギャルド的には面白いけど。適切な回答だけでもかなりの数のフレーズが思い浮かぶと思います。その数の多さがアドリブの引き出しの多さになります。
アドリブに置き換えると、ひとのフレーズをいっぱい知っているひとは会話と同じで自由にしゃべれますよね。なのでやはり「いっぱいひとのいいフレーズを聞く=コピーする」に限ると思います。いろんなフレーズを知っていれば、いつかそのフレーズが最適な場面で喋れる=吹けるようになります。
よく「コピーなんてだせーぜ。自分のフレーズで語るんだ」などとわかったようなことをいう人がいますが、そういう人に限ってたいてい聴くと単なる下手くそだったりします。いっぱいフレーズを聴いて吹けて、その上で自分のフレーズの組み立て・再構成をすることからアドリブは始まると思います。
コード進行=会話の流れ、になるんですが、そのなかで自分の引き出しがどんだけあるかで、なかりのアドリブの自由さが違ってきます。楽器を口から離して、まずはそのコード進行で鼻歌を歌ってみるのはいい練習です。「歌う」、これもアドリブの大切な要素です。まずは歌えるようなフレーズが自由に出るような訓練をしましょう。
「他の楽器との会話が自由にできる」、「聴いている人の気持ちを高揚させられる、感動させられる」、これはなんといっても場数を踏んでできる能力だと思います。英会話もそうですが、スクールでいくら勉強してもテキストと同じ場面に出くわすことはまずありません。突然降って湧いた状況にいかに対応できるようになるかは場数でしょう。つまりセッションが一番いい勉強だと思います。
セッションではいろんなひとが来ます。レベルも様々ですが、下手なセッションやなーなーなセッションに行っても上達しません。ちょっと上のレベルのひとが集まるセッションにたくさん行くと、本当に勉強になります。楽しむだけのセッションにばかり行っていてもたぶん上達しません。いじわるなセッション、初めて行くセッション、プロばかり来るセッションこそ一番いいセッションです。失敗してもいいんです。失敗したことをちゃんと理解して、何が原因だったのか、何を練習すればいいかがわかれば1ステップ上がるはずです。
そんなこんなで結論をいうと、やはり「聴く&コピー」と「良いセッション」に尽きるのではないかなと感じてます。もちろん楽器そのものの練習があっての話ですが。
初心者の方はそういうことを教えてくれるひとがなかなかいないと思います。私は大学のジャズ研でいい先輩に恵まれたことが一番大きい影響を与えてくれたなと思ってます。
いろんな所に引き回してくれたM氏、バンドに入れてくれたT氏、ジャズはセックスだと教えてくれたT氏とN氏、いい先輩に恵まれてすくすくと育てられた気がします。まずはいい伝道師を見つけることが一番の早道かもしれませんね。
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