2011年12月28日水曜日

寺久保エレナ at ルクラブ・ジャズ 2011-12-27

またまた寺久保エレナを聴きに行ってまいりました。場所はなんと、いつもお世話になっている京都三条の「ル・クラブ・ジャズ」です。

今回はバークリーのOB、現役のメンバーからなる「Nippon Soul」というユニットのメンバーとして一時帰国です。関西は甲陽学院という音楽系の専門学校がバークレーと提携していて、今回のメンバーがワークショップの講師役でセミナーをやったみたいです。


境野慎一郎(Leader; Bs)
寺久保エレナ(As)
大林武司(Pf)
則武諒(Ds)


ということから結構格安でルクラブにもおいでいただけたという訳です。


店に入ってみると、意外と客が入ってない。なんか不思議です。前々回の大阪ミスターケリーズの時は、すっかりライブのスケジュールを見落としていて、お店に慌てて電話してキャンセル待ちで入れてもらった位なのですが、ルクラブで平常時の机配置で8割程度の入りです。ミュージシャンも一番奥の机とカウンターに待機できるくらいです。

うーん、京都にエレナちゃんは響かないのかな。あるいは、今回はエレナちゃんはリーダーではなく、ゲストのアルトということで、いまいち宣伝文句が響かなかったのか。ちょっと意外な感じでした。

でも、僕がいつも陣取っているルクラブのカウンターにエレナちゃんが座っている、出番を待っている、ということで、なんか共有感がふつふつと湧いてきて、ドキドキしました。なんかあれやな、AKBファンのおっちゃんみたいなもんかも。


でも始まってみるとそんなことは忘れていい演奏でした。楽しめました。




当日のセットリストです。

1st set
Take The A Trane
What Is Things Called Love

Con Alma
Donna Lee
Ispahan
St. Thomas

2nd set
Get Out From The Darkness(境野慎一郎)
Waltz(大林武司)
That's The Truth(寺久保エレナ)
Slot(大林武司)
That's What It Is(境野慎一郎)

アンコール:Anthropology

最初のセットはスタンダードを中心に、次はオリジナルを中心に演奏してくれました。エレナちゃんが吹くドナリーは良かったな。あとセントトーマスなんてライブじゃなきゃ聴けないもんな。

大林くんのオリジナル2曲も良かった。ECM系というかなんというか、ありがちなジャズとは違うかっこいい曲でした。



今回のエレナちゃんを聴いて、「また一皮むけたな」という印象を持ちました。

以前のエレナちゃんは若さと技術を前面に出して、簡単にいうと爆破する系のプレイが多かったですね。「おめーら、こんなふうに吹けないやろ!?」的な、かなり挑戦的なソロが多かったです。もちろんそういう演奏を聴きに来ている人も多いし私も好きです。でも今回はそのようなブリブリ系でプレイは鳴りをすっかり潜めて、むしろ一つ一つの音を静かに大事に吹くようにしていました。

バークレーでそういうふうな教育を受けたのかな。派手ではなくなったのですが、演奏とコミュニケーションを大事にするプレイヤーに成長したなと感じました。


何でもかんでも、言ってみれば「アホみたい」にブリブリ吹くのはある程度の技術があれば可能です。そういう演奏はたいてい誰でも同じような演奏になって、個性が失われます。そんな中で大事に吹くスタイル、丁寧に演奏するスタイルは大事です。

エレナちゃんはちょうどそういうことを身につけようとしている過渡期なのかもしれません。



でも、聴く方としてはドナリーでブリブリとバカっ速で吹いているのを見ると・聴くと、やっぱアドレナリンが出ますわ。イェイ!



最後の曲で、エレナちゃんと同じ札幌出身のテナーで、現在はバークリーに行っている「馬場智章」君がシットインしました。彼の演奏は北海道の湖をテーマにしたCDで聴いたことがあります。まぁまぁ上手なテナーだと思いましたが、取り立てて強い印象はありませんでした。よくある感じのテナーですね。今後に期待しましょ。


ということで、前回8月に大阪で聴いた時、「あぁ、これでエレちゃんとは3年は会えないな」と思っていましたが、たったの4ヶ月後に再開できました。このペースじゃまた来年も逢えそうですな。







これにもエレナちゃんが参加している


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